親知らず
- 抜く必要があるのか
- 可能であれば、20代での抜歯をおすすめします。
放置すると、歯周病、親知らずと隣の歯の虫歯、歯並びの悪化といったリスクがあります。
20代のうちに抜歯することで、これらのリスクを軽減できます。
また、20代のうちの方が、抜歯後の傷の治りや骨の再生が早く、身体への負担が少ないというメリットもあります。
ただし、30代以上の方でも、親知らずのリスクは変わりません。1日でも早い抜歯をおすすめします。
院長より、私見ですが、80歳を超えて、親知らずが残っている患者はほぼいません。500人に1人くらいです。おそらく、長い人生の中で、親知らずを抜かざるを得ない状況になっているかと思います。こちらの文章を読んでいる方が、80歳以下であれば、抜くことをお勧めします。と言うのも、親知らずの抜歯は通常の虫歯治療と異なり、一種の手術に近いものです。そのため、高血圧、糖尿病、肝臓や腎臓の治療中であったり、脳梗塞や心筋梗塞にかかられていると親知らず周囲に痛みがあったり、腫れたりと症状があっても、抜けないことがあります。親知らずは、喉に近いですから、糖尿病などで免疫力が弱っている状態ですと、腫れが著しくなり、最悪の場合、呼吸困難になることもあり得ます。そのため、1日でも早い抜歯をお勧めします。
生えはじめたり(萌出)、歯茎に半分埋まっている歯(半埋伏歯)は、抜歯をおすすめします。完全に歯茎に埋まっている歯(埋伏歯)は、通常は痛みなどの症状がなければ経過観察となります。ただし、矯正治療の必要性がある場合は、抜歯を検討することがあります。 - 抜歯後の痛みと腫れについて、どれぐらい痛みや腫れが続くのか
- 長くても1週間程度で落ち着きます。
稀に、ドライソケットと言って、傷口の瘡蓋が出来ず骨が露出して、痛みが長引くことがあります。
ドライソケットのリスク軽減に有効な治療法として、テルプラグ、CGF、AFG再生療法があります。 - 抜歯後に顔面麻痺した場合、どれぐらいで治癒するのか
- 適切に治療すれば、数ヶ月で治癒します。
ただ、顔面麻痺の治療は一般歯科では出来ないため、大学病院を受診する必要があります。
また、顔面麻痺の治療はスピードが重要視されるため、事前に顔面麻痺のリスクが高いと診断された場合には、大学病院で抜歯することをお勧めします。