大阪府摂津市　さきがけ歯科クリニック摂津本院
歯科医師 院長　山本 一博です。

歯を失ってしまったときに選ばれる代表的な治療法の一つに「インプラント」と「入れ歯」があります。これらの治療方法にはそれぞれの特徴やメリット、デメリットがあります。本記事では、インプラントと入れ歯の違いについて詳しく解説し、あなたに最適な治療方法を見つけるお手伝いをします。

目次

1. インプラントとは？
2. 入れ歯とは？
3. インプラントのメリットとデメリット
4. 入れ歯のメリットとデメリット
5. どちらを選ぶべきか？

1. インプラントとは？

インプラントは、失われた歯を補うために人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。インプラント体である人工歯根は通常チタン製で、手術を行って顎の骨に固定します。インプラント体が骨と結びつくのに数ヶ月を要し、その後、人工の歯が取り付けられます。

この治療は見た目が自然で、噛む力も強いのが特徴です。しっかりと固定されているため、周囲の歯に負担をかけることもなく、自分の歯と同じように使えます。

2. 入れ歯とは？

入れ歯（義歯）は、全ての歯を失った場合や部分的に歯を失った場合に使用される取り外し可能な歯の代替物です。入れ歯には全面義歯（全ての歯を置き換えるもの）と部分義歯（部分的に失われた歯を置き換えるもの）の2種類があります。素材は樹脂や金属でできており、患者さんの口腔内の形状に合わせて作製されます。

入れ歯は比較的安価で手軽に利用できるのが特徴ですが、安定性に欠ける場合があり、装着中に不快感を覚えることがあるかもしれません。また、数年ごとに調整や再製作が必要になる場合があります。

3. インプラントのメリットとデメリット

メリット

インプラントの最大のメリットは、見た目や機能が天然の歯に非常に近いことです。噛む力も天然の歯と同じくらい強く、食事の制限がほぼありません。また、インプラントは顎の骨に固定されるため、違和感が少なく、他の歯に負担をかけることもありません。さらに、他の治療法に比べて寿命が長く、適切なケアを行えば10年以上持つこともあります。

デメリット

一方で、インプラントにはデメリットもあります。まず、手術が必要であり、顎の骨の状態によっては手術を受けることができない場合があります。また、インプラントは通常の歯科治療よりも高額で、一本あたり一般的に30万円から50万円程度かかることが多いです。さらに、治療期間が長く、数ヶ月から一年程度かかることがあります。

4. 入れ歯のメリットとデメリット

メリット

入れ歯の最大のメリットは、手軽に装着でき、費用が比較的安いことです。保険適用の範囲内であれば数万円で作ることが可能です。また、インプラントのように手術が必要ないため、身体的な負担が少ないのも特徴です。入れ歯は簡単に取り外して清掃できるため、日々のメンテナンスが比較的簡単です。

デメリット

一方で、入れ歯には安定性に欠ける場合があり、会話や食事中に違和感を覚えたり、動きやすくなることがあります。また、入れ歯の使用中に歯茎に痛みや炎症が生じることがあり、定期的な調整が必要になります。さらに、周囲の歯や歯茎に負担がかかることがあり、長期的には骨の吸収が進むこともあります。

5. どちらを選ぶべきか？

インプラントと入れ歯のどちらが適しているかは、患者さんの口腔内の状態、生活スタイル、予算などによります。お悩みの方は、まず歯科医師に相談し、適切な診断を受けることが大切です。また、自分自身の生活スタイルや希望する機能性、見た目についてもよく考えて選ぶことが重要です。

例えば、インプラントは長期的に見て非常に優れた選択肢ですが、費用や手術期間が問題となる場合があります。一方で、入れ歯は手軽に短期間で装着できるため、コストを抑えたい方や手術を避けたい方には適しています。

あなたにとって最適な治療法を見つけるために、細かい要件や悩みをしっかりと歯科医師と話し合い、ベストな選択をしましょう。

まとめ

インプラントと入れ歯にはそれぞれの利点と課題があります。インプラントは自然な見た目と機能性が優れている一方、費用や治療期間が長いというデメリットがあります。入れ歯は手軽で費用が抑えられるメリットがある反面、安定性や快適性に欠ける場合があります。自分に合った治療を選ぶためには、まずは歯科医師に相談し、口腔内の状態や生活スタイルに合った適切な方法を見つけることが大切です。